1. はじめに:PMはリーダーシップとマネジメントの両方を担うべきか?
プロジェクトマネージャー(PM)には「リーダーシップ」と「マネジメント」という2つの異なる役割が求められます。しかし、1人のPMがこれらを完璧に担うことは難しいと私は考えています。
- PM: 実直にコツコツと計画を遂行し、進捗を管理する役割。
- PL(プロジェクトリーダー): チームにゴールや目的、ビジョンを示し、士気を高める役割。
大規模な組織やプロジェクトでは、この2つの役割を分担することでプロジェクトが円滑に進むでしょう。しかし、小規模プロジェクトではPMがPLを兼任することも少なくありません。
2. コツコツ型PMがPLを兼ねるとき
2.1 コツコツ型PMの特性
コツコツ型のPMは、地道に物事を推進し、着実にタスクを進めることが得意です。
この特性は、PLの役割を担うときにも大きな強みになります。
2.2 コツコツ型PLの強み
- ① 実直な人間関係構築: 地道なコミュニケーションを通じて、信頼関係を築く。
- ② 課題の抽出: 細部まで目が届くため、隠れた課題を見つけやすい。
- ③ 合意形成: みんなの意見を集め、調整しながら方向性を示すことができる。
2.3 コツコツ型PLのスタイル
- 小さな成功体験を積み重ねる: 大きな旗を振るよりも、少しずつ目標を達成していく。
- チーム全体の納得感を大切にする: 押し付けるのではなく、合意を重視する。
- 影のリーダーシップ: 前面に立つのではなく、裏方としてチームを支える。
3. コツコツ型PM/PLが意識すべきこと
3.1 自分の特性を理解する
- リーダー型: ビジョンや方向性を示すのが得意。
- マネージャー型: 計画や進捗管理が得意。
自分がどちらに向いているかを理解し、苦手な部分はサポートメンバーやツールに頼ることが重要です。
3.2 役割を切り替える
- 午前はマネジメント業務: タスク管理、進捗確認。
- 午後はリーダーシップ業務: ゴールやビジョンの再確認、チームモチベーションの向上。
3.3 完璧を求めすぎない
- PM/PL兼任は「完璧に両立させる」のではなく、自分の得意なスタイルでリーダーシップを発揮することが大切です。
4. コツコツ型PM/PLがドキュメントを活用するメリット
4.1 ドキュメントの重要性
コツコツ型PM/PLにとって、ドキュメントは強力な武器です。以下の3つの効果があります。
- 広範囲への情報展開: 多くの人に情報を届け、共通認識を作れる。
- 多角的なフィードバック: 様々な視点から意見を集め、改善できる。
- ブラッシュアップが容易: 定期的な更新で、ドキュメント自体を進化させられる。
4.2 コツコツ型リーダーとドキュメントの相性
- 情報整理力: 細かな情報を整理し、わかりやすくまとめる。
- 合意形成: ドキュメントがあることで、チーム全体の合意形成がスムーズになる。
- 再利用可能: ドキュメントは次のプロジェクトや後任者への資産になる。
4.3 ドキュメント活用のステップ
- 作る: 小さく始め、シンプルにまとめる。
- 共有する: アクセスしやすい形で展開する(例: Notion, Google Drive)。
- フィードバックを得る: 定期的に意見を集める。
- ブラッシュアップ: フィードバックを取り入れ、進化させる。
5. デリバリー最優先プロジェクトへの対応
5.1 デリバリー最優先プロジェクトの特性
- スピードがすべて: 迅速な意思決定が最優先される。
- 柔軟な方向転換: 状況に応じた即座の調整が必要。
- トップダウン型リーダーシップ: 明確な指示と方向性が求められる。
5.2 役割分担が鍵
- PL: スピード感を持って方向性を示すリーダーが適任。
- PM: 実直にタスク管理と進捗確認に専念。
6. まとめ:自分の特性とプロジェクト特性を活かす
- PM: 実直にプロジェクト管理を行う。
- PL: 迅速な意思決定でチームを引っ張る。
- コツコツ型リーダーシップ: 合意形成型のリーダーシップとして有効。
- 状況に応じた役割分担: プロジェクト特性に応じて適切に役割を配置する。
💬 あなたへの問いかけ
- あなたのプロジェクトは「デリバリー最優先型」ですか?
- あなたはリーダー型?それともマネージャー型?
- どんな役割分担がチームにとってベストだと思いますか?
コツコツ型PM/PLは、特性を活かし、状況に応じて柔軟に役割を調整することで、チームを確実に前進させることができます。
「自分らしいスタイルで、プロジェクトを成功に導きましょう!」